1.理念及び事業所運営方針
社会福祉法人開拓の「これからの日本を変える、今からそのための保育をする、それを私がする」という保育に対する完全自責感を根底に、児童発達支援センター銀河鉄道(以下「銀河鉄道」という。)の運営方針を定める。
銀河鉄道は、「雨ニモマケズ」「銀河鉄道の夜」などに見られる宮沢賢治の子どもたちの心を道しるべに、人としての生き方を子どもたちから学び、その子どもたちから力を得て果敢な行動を実践する、というこころ根を基底に誕生した。銀河鉄道は、専門的な発達支援・療育サービスの提供を通じて、子どものみならず、家庭、地域をも対象に「世のため人のために、与え尽くすこころを育むこと」を基本理念とする。
2.発達支援(療育)の方針
銀河鉄道は、子どもの生きる力を育むことを目的に、歩く、話す、かかわる、さらには就学に向けて読み、書き、計算を大切に、「やる気」「愛着」「自信」を大切に育み、適切な親子関係を支援する。
利用される子どものニーズは、平成30年度の実践を踏まえて、以下のとおりと整理する。
- 発達の遅れにより、幼稚園、保育園等への通園が困難な子ども。
- 身体的に障害のある子ども。
- 発達の遅れにより親子関係を築くことが困難な子ども、保護者。
- 保護者の国籍による言語・文化の違いから親子関係を築くことに課題ある子ども、保護者。
(1)楽しい療育であそびを活かす
- 子どもの好きなこと、興味のあることを見つけて、広げる。
- 子どもが遊びたくなる環境をつくる。
- 保育士が子どもを誘いやすい、分かりやすい環境をつくる。
- 遊びの中から発達への効果を考え、保育士が楽しむ。
(2)分かり易い環境作り
- TEACCHの構造化の手法を活用し、スケジュール、内容、動線など子どもの立場に立ってわかる環境、方法を作る。
- 子どもが自分で片付ける、準備できる、達成感が持てる環境を作る。
- 子どもに伝わり、わかる方法を作る。
(3)つなげる意識を育てる
- 言葉と名前、動き、様子を意識的につなげる。つなげやすい環境を作る。
- 仲間を意識的につなげる。人への関心、コミュニケーションを広げる環境を作る。
言葉と動き、ルール、写真と写真、実物と写真・絵図、写真・絵図と動き、先生と自分、友だちと自分などつなげる。
(4)柔軟な発想を育てる
- いろいろな方法に柔軟に挑戦する。勇気を持ってどんどん取り入れる。勇気をもってやりにくかったら、どんどん変える。
- 同じ取り組みでも見方を変えて発達年齢に合わせた柔軟に対応する。
3.発達支援(療育)の事業
銀河鉄道では、利用する子どもの発達状況を的確に把握し、子どもの心身の特性に応じて、日常生活に必要な基本的生活習慣の習得、個別及び集団の療育を通じ社会生活に適応できるように支援する。また、子ども及び保護者の意見や人格を尊重し、常にサービスを利用する側の立場に立ってサービスを提供する。
子どもや保護者の多様なニーズに応えられる柔軟な利用形態(毎日通園・間隔を空けた通園、母子通園・単独通園、併行通園)を設定し、児童福祉法に規定された以下の事業を実施する。
(1)事業所所在地:八街市八街に66-3
(2)事業
- 児童発達支援事業(定員28名)
保護者の意向や子どもの状況をふまえ、児童発達支援管理責任者及び保育士、児童指導員は、臨床発達心理士と連携し個別支援計画を作成する。個別支援計画に基づいて保育士等を中心により良い発達を促す専門的支援を提供する。 - 保育所等訪問支援事
専門相談員の保育士が併行通園の子どもに対し、併行利用する保育園・幼稚園などを訪問し、子どもが集団に適応するための適切な支援、及び保育園・幼稚園等の職員に対する支援を提供する。 - 特定・障害児相談支援事業(相談支援事業所 銀河鉄道)令和2年5月1日開所予
相談支援専門員が保護者から子どもの成長や子育てなどの相談支援を通じて、適切なサービス の利用につながるよう、サービス利用計画を作成し提供する。 - 千葉県療育等支援事業
千葉県から事業を受託し、専門相談員の保育士が保育園・幼稚園などに訪問し、発達支援が必要な子どもが集団に適応するための適切な支援、及び保育園・幼稚園等の職員に対する支援を提供する。
4.職員体制
児童発達支援センター及び特定・障害児相談支援事業の施設基準(児童発達支援管理責任者1名、保育士及び児童指導員は子ども4名に対して1名)に基づき、以下の職員を配置する。
(1)児童発達支援センター 銀河鉄道
職名 | 基準 | 員数 |
---|---|---|
管理者(駅長) | 1 | 1 |
嘱託医 | 配置 | |
児童発達管理責任者 | 1 | 1 |
保育士(常勤) | 7 (2) | 20 |
保育士(非常勤) | ||
児童指導員(常勤) | ||
児童指導員(非常勤) | ||
看護師 | 定めなし | 1 |
栄養士 | 定めなし | 1 |
調理員 | 定めなし | 2 |
(2)相談支援事業所 銀河鉄道
職名 | 基準 | 員数 |
---|---|---|
管理者(駅長) | 1 | 1 |
相談支援専門員 | 0.5 | 0.5 |
(3)千葉県療育等支援事業
職名 | 基準 | 員数 |
---|---|---|
管理者(駅長) | 1 | 1 |
専門相談員 | 定めなし | 6 |
5.発達支援(療育)の計画
(1)クラス編成
様々な課題のある子どもたちに的確な発達支援(療育)を提供するために、発達課題に応じた療育目的別のクラス編成とし、各クラスは児童発達管理責任者とともに年度クラス目標を作成する。
具体的な発達支援(療育)の内容は、月・週案を作成するとともに、子ども一人ひとりにあった個別支援計画を作成する。個別支援計画は、保護者支援に関して明確に位置付けるものとし、その適切性を6ヶ月に一度見直しをする。
①ひまわり組
就学や併行通園を目指すクラスとして、人への意識を高める。人と楽しく関わり、集団の中で役立つことを意識できるようにする。
②ちゅうりっぷ組
重点的な療育を提供するクラスとして、動き・言葉・視覚支援教材でつなげる。人と楽しく関わり、銀河鉄道を安心できる大好きな居場所にする。
③どんぐり(肢体不自由児)組
重点的な療育を提供するクラスとして、体と心の成長を大切に育む。人と楽しく関わり、銀河鉄道を安心できる居場所にする。
(2)保育所等訪問支援
専門相談員の保育士が併行通園の子どもを中心に、併行利用する保育園・幼稚園などを訪問し、子どもが集団に適応するための適切な支援、及び保育園・幼稚園等の職員に対する支援を提供する。
併行利用時の子どもの様子を的確に捉えて、より保育園・幼稚園への移行がスムーズに行えるよう子どもと保護者を支援する。
(3)外部専門家を活用した発達支援(療育)
- 認定ムーブメント教育・療法士による月3回のムーブメント教育・療育(全身を使ったダイナミックな運動療法)
- 臨床発達心理士による月3回のたんぽぽ教室(子どもの発達段階に合わせた個別の発達支援・療育)(1日4名)。
- 理学療法士による月2回の訪問指導(座位や歩行の安定等を図るための理学療法)
- 専門講師による月1回のリトミック教室
- 保護者の希望に応じた発達検査の実施体制を臨床発達心理士と協同し構築(MEPA-R)。